関係性の変化や境遇の変化によって、「お歳暮を断りたい」と思う人もいるかもしれません。本記事では、お歳暮をやめる理由や、受け取りの断り方などを紹介します。お歳暮を辞退するときの文例も紹介しているので、参考にしながら失礼のないように断りたい気持ちを伝えてみてください。
お歳暮をお断りするのはマナー違反ではありません。お歳暮はお世話になった感謝の気持ちを伝える贈り物ですが、相手に負担を与えては本末転倒です。角の立たない方法でお断りすることで、良好な関係を築ける場合もあります。しかし、お歳暮をいきなりお断りすると失礼にあたってしまいます。いただいたお歳暮はありがたく受け取り、次回から辞退するという形を取るか、お歳暮をお断りする旨の断り状と一緒にいただいた贈り物を返送するのが一般的です。
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お歳暮はありがたい贈り物ですが、関係性の変化や規則などによって、「お歳暮を断りたい」と思うこともあるでしょう。とくに次のような場合、お歳暮を遠慮するのが一般的です。
学校の先生や政治家といった公務員は、利害関係者からお歳暮をはじめとする贈答品を受け取ってはいけないと法律で決まっています。そのため、お歳暮をいただいても、受け取りを拒否するか、返送しなければいけません。また、公務員以外でも、会社の規則でお歳暮の受け取りを禁止していることがあります。お歳暮をはじめとする贈答品が利害関係に利用される可能性があるため、コンプライアンス違反としている企業も少なくありません。
相手企業との取引や接点がなくなった場合、お歳暮をやめたいと考える人が多いです。また、退職や転職によって相手と疎遠になった場合も、お歳暮を遠慮するのが一般的です。前提としてお歳暮は1年お世話になった感謝を伝える贈答品なので、接点がなくなった時点でお断りしても問題ありません。お互いの負担になる前に、お礼状や断り状に遠慮したいという意思を示すのがおすすめです。
結婚の仲人には3年間はお歳暮を贈るのが一般的ですが、3年以上にわたってお歳暮を受け取った場合、相手に配慮してお断りする人もいます。なぜ3年間なのかというと、新婚期間が3年間といわれているためです。しかし、仲人をお願いした手前、3年以上にわたってお歳暮を贈りつづける夫婦も少なくありません。このような場合、相手の夫婦に気を使わせないよう、仲人側からお歳暮をお断りすることがあります。
お歳暮の贈り主と関係性があった夫や妻が他界してしまい、自分との関係性がまったくない場合、相手に気を使わせないようにお歳暮をお断りすることがあります。喪中にお歳暮を受け取っても問題ありません。しかし、配偶者が亡くなった後にお歳暮を受け取るとさらに関係性がつづき、断りにくくなる可能性があります。配偶者が亡くなったことを機に、お歳暮のお付き合いを遠慮するのも一つの方法です。
高齢になるとお歳暮を贈ることに負担を感じ、やめたいと考える人もいます。お歳暮を贈るには、贈答品を選んで手配し、発送手続きをしなければいけないほか、お歳暮をいただいたらお礼状の送付やお礼の電話をかけるといったひと手間がかかります。そのため、お歳暮は高齢になったら次の世代に任せるという考え方もあります。お互いに高齢になっている場合は、相手の負担も考え、自分からお断りするのも一つの方法です。
お歳暮の受け取りを断る場合、失礼にならないよう、マナーを守って断りを入れましょう。お歳暮のお断りをする方法はおもに次の3つです。
お歳暮をお断りする場合、今回は贈答品を受け取り、お礼状に次回からお断りしたい旨を記載するのが、もっともスタンダードな方法です。ただし誤解を生まないよう、お礼状ではお歳暮を贈ってくれたことへの感謝を述べた上で「今後はお気遣いありませんように」という文言を添えます。また、「今後も末長く変わらぬお付き合いをお願いしたい」ということを明記し、お付き合いをやめたいわけではないということが相手に伝わるように工夫しましょう。
お礼状ではなく電話で直接お断りしたいことを伝えるのも一つの方法です。長い関係性がある場合、文面で一方的にお断りすると冷たい印象を与えてしまう可能性があります。そのため、電話で直接相手にお歳暮を贈ってくれたことへの感謝を伝え、理由を述べた上で次回からお断りしたいと告げると相手に納得してもらいやすいでしょう。ただし、電話は記録に残らないので、お礼状を送った上で電話をするのがおすすめです。
お礼状や電話でお断りしても、何度もお歳暮が届く場合は、断り状を添えて返送する方法も検討してみてください。ただし、届いた贈答品をそのまま返送するのはマナー違反にあたるため、贈答品の包装の上からさらに包装を重ね、断り状を添えて相手に発送します。断り状の内容は、お礼状と同様にお歳暮へのお礼、お断りしたい理由、今後も末長く関係をつづけていきたいことを記載するのがおすすめです。
お歳暮を断るときはお礼状や断り状で「次回からお歳暮を遠慮したい」という気持ちを伝えるのが一般的です。お歳暮を断りたいときのお礼状や断り状の例文を、関係性ごとに紹介します。
親戚からのお歳暮に対して断り状を送る場合、次の例文を参考にしてみてください。
拝啓
師走に入り慌ただしくなってきましたが、ますますご壮健のことと存じます。
この度はお歳暮のお品をお贈りいただき、有難うございます。
素晴らしい品物をいただき、大変恐縮しております。
ご厚意は大変ありがたいのですが、今後はこのようなお気遣いはされませんよう、お願い申し上げます。
なお、今後とも末永いお付き合いの程、よろしくお願い申し上げます。
時節柄、ご自愛くださいますようお祈り申し上げます。
敬具
ただし、両親や近い間柄の親戚に断り状を出す場合は、よそよそしいと思われる可能性があるので、電話でお断りしたい理由を丁寧に伝えるのも一つの方法です。
ビジネスシーンでお歳暮の断り状を出す場合、次の例文を参考にしてみてください。
拝啓
師走の候 貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
この度は、素晴らしいお品をお贈りいただき、誠に有難うございます。
このようなお心遣いをいただき、大変恐縮しております。
ご厚意をいただいておきながら誠に心苦しいのですが、今後はこのようなお気遣いはなさいませんよう、何卒ご理解の程お願い申し上げます。
なお、今後とも変わらぬお付き合いの程、よろしくお願い申し上げます。
末筆となりましたが、貴社の益々のご繁栄をお祈りしております。
敬具
ただし、ビジネスシーンにおいて、お歳暮のお付き合いを突然やめてしまうと、事業に影響が生まれる可能性があります。取引先にお歳暮の断り状を出す場合は、まったく取引がなくなったときや、今後、取引をする可能性がないときなど、将来的な関係性を考えた上でお断りを検討しましょう。
自身が高齢になり、お歳暮に負担を感じてきたときに断り状を出す場合は、次の例文を参考にしてみてください。
拝啓
初冬の候 皆様お元気でいらっしゃいますでしょうか。
さて、毎年ささやかながらご挨拶をつづけてまいりましたが、私も高齢になり、これまで通りのお付き合いが難しくなってまいりました。
つきましては、誠に勝手ではございますが、本年をもちまして例年のご挨拶を失礼させていただきたく、皆様にお願いしている次第です。
これまでのご厚情に対し深く感謝申し上げますとともに、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
なお、今後とも変わらぬお付き合いの程、よろしくお願い申し上げます。
時節柄、皆様どうぞご自愛くださいませ。
敬具
高齢になってからもお付き合いがある方は、一般的に友人や親族などの親しい間柄である場合がほとんどです。そのため、断り状を送るのではなく、電話で事情を説明するのも一つの方法です。
お歳暮を受け取るのをお断りするのと同様に、お歳暮を贈るのをやめるのもマナー違反ではありません。しかし、突然やめてしまうと相手に「関係性を終わらせたいのでは?」と勘違いさせてしまうかもしれません。お歳暮は突然贈るのをやめるのではなく、少しずつ別の形に変えていくのがおすすめです。
お歳暮をやめたいときは、年の瀬ではなく新年にお年賀を贈るという方法もあります。一般的にお歳暮の相場は3,000〜5,000円です。一方でお年賀の相場は2,000円〜5,000円程度と、お歳暮と比較するとやや価格帯が下がるため、負担を軽減できる可能性があります。ただし、お年賀は手土産として新年に持参するのが前提なので、礼儀を重んじる相手には失礼と捉えられるかもしれません。お年賀を宅配で送る場合は、事前に電話や送り状で理由を伝えるのがおすすめです。
お歳暮の金額を数年にかけて低くして、徐々にフェードアウトするのも一つの方法です。たとえば、これまで5,000円の品物を贈っていた場合、3,000円前後に調整するなど、贈り物の種類が変われば、「お歳暮を贈るのが難しいのかもしれない」と気持ちを察してくれるかもしれません。ただし、極端に安い品物を贈ると失礼にあたるため、誤解を生まないようにするなら、きちんと断り状でお歳暮をやめたい事情を説明するのがおすすめです。
お歳暮を断ることは決して失礼ではありません。しかし、きちんとマナーを守ってお断りしないと、今後の関係性に影響を与えてしまう可能性があるので、注意しましょう。また、お断りの方法は関係性によって違うため、失礼のないように配慮しながら、お断りしたい気持ちを伝えてみてください。 郵便局のネットショップでは様々な価格帯の冬ギフトを取り揃えています。お客様の意向に合わせてご利用いただけます。価格帯も幅広く用意していますので、ぜひチェックしてみてください。
※コラムの内容については、地域性や諸説ございます。
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